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宮崎・口蹄疫 復興への第一歩<上>公明新聞:2010年8月2日付

宮崎・口蹄疫 復興への第一歩<上>公明新聞:2010年8月2日付

新聞

「がんばっどぉ!!川南」の横断幕を掲げ、復興を開始したトロントロン商店街=宮崎・川南町空っぽの畜舎
「前に進むしかない」
教訓を生かし新しい畜産王国を模索
宮崎県に深刻な被害をもたらした家畜伝染病・口蹄疫は、7月27日午前0時に家畜の移動・搬出制限区域と、県の非常事態宣言が解除されたことで、ようやく区切りがついた。ふん尿処理などを終え、今月末に「終息宣言」を行う予定。期待と不安を抱えながら、復興への一歩を踏み出した現地の表情と当面の課題を追った。

町役場に陣取っていた自衛隊車両も、埋却などの任務を終えていなくなり、消毒ポイントも減った。口蹄疫で大打撃を受けた川南町は、静かさを取り戻していた。殺処分された牛や豚は計16万7000頭余り。町中を走ると、空になった畜舎が寂しさを誘う。こんもりとした盛り土の下には多くの牛や豚が眠っている。

先日、公明党の長友安弘県議のもとに、同町の繁殖牛農家から一通のファクスが届いた。感染拡大予防のためのワクチン接種後に63頭が殺処分された農家だ。「仕事せないかん、がんばらんといかんという気持ちはあるが、手足をもがれてはなすすべがなか」。文面に焦りと無念さがにじみ出ている。

畜産復興の道のりは確かに険しい。宮崎発のブランド牛の研究・生産拠点で、種付け用精液を県内に広く供給してきた県家畜改良事業団(高鍋町)は、「忠富士」をはじめ、種雄牛50頭を含む、ほぼすべての家畜を失った。「福之国」「勝平正」など主力5頭は残ったが、精液を十分供給できるのは、あと5~6年。次世代の種雄牛育成は綱渡り状態だ。

だが、打ちひしがれていても、何も進まない。「前に進むしかない」と川南町でも、復興に向けた動きが出ている。

「トロントロン商店街」では、「がんばっどぉ!!川南」の横断幕を掲げ、町民に「元気に頑張ろう」と呼び掛けている。有名な“軽トラ市”再開の話し合いも始まった。防疫のため、中止が相次いだイベントも、例年8月開催の夏祭を「町に元気を取り戻すきっかけに」と9月に開く予定。主催者は「クライマックスの花火は、元々、死者を弔うもの。犠牲になった家畜を弔い、町のみんなで再生を誓いたい」と語る。

また、川南町はJAや畜種別の代表者らでつくる復興対策会議を立ち上げ、近く第1回会合を開く。「経営対策班」と「環境防疫対策班」の2班を作り、作業を進めていく。

経営対策班では、戸別に経営計画の策定を求めるほか、飼育技術の進歩・平準化や、粗飼料自給率の向上など、幅広い対策を講じていく。環境防疫班でも、病気に強い地域づくりを目標に、畜舎でのふん尿の適正処理や防疫意識の啓発を重視。各農場の衛生環境面を定期的に評価する制度の導入なども推進する。

「振り出しに戻った今だからこそ、ピンチをチャンスに変えるべき」ととらえるのは、JA宮崎中央会(羽田正治会長)。川南町などに畜産農家が密集してきた地域的な不均衡や、農業産出額の6割を畜産が担う畜産過多の見直しを検討中だ。

非常事態宣言を解除した7月27日には、東国原英夫知事が記者会見で「全国のモデルとなるような新しい畜産王国をめざす」と表明。今回の教訓を生かし、日本の畜産、地域の将来を模索しながら、宮崎は前へ進み出した。
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| 新聞 | 16時35分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















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