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イタリア総選挙の衝撃 「緊縮路線」支持されず

イタリア総選挙の衝撃 「緊縮路線」支持されず
公明新聞:2013年3月1日付

不透明な政権の行方 ユーロ危機再燃の恐れも
24、25日の両日実施されたイタリア総選挙(上下両院)の結果は、回復軌道をめざして順調な歩みを続けていたように見える世界経済に大きな衝撃を与えた。

下院では中道左派連合が勝利し、過半数を得たものの、上院でいずれの政党連合も過半数を占めることができず、新政権の行方が混とんとしているためだ。何よりも、欧州連合(EU)諸国の支持を得て、緊縮路線を進めてきたモンティ首相率いる中道が敗退し、一層の緊縮を国民に求めることは困難となった。

ユーロ圏で第3位の経済規模を誇るイタリアが緊縮路線を着実に進んでいることが、EU経済の安定、債務危機脱出の前提条件だったため、この選挙結果に世界の株価は敏感に反応。26日の欧州市場ではイタリア国債が売られ、フランス、ドイツ、スペイン、イギリスの株式市場は軒並み急落した。また、オーストラリア、韓国でもイタリア政治の不透明感を嫌気して株価が下落し、東京市場も一気に円高、株安が進んだ。

ギリシャ危機当時とは異なり、現在、欧州安定メカニズム(ESM)や、欧州中央銀行(ECB)による無制限の国債買い取りなど安全網は整備されているが、ユーロ危機再燃を警戒する声もある。

イタリア総選挙で判明したことは、「市場の評価」と「国民の評価」はまったく異なるということだ。

2011年、ギリシャ債務危機がイタリアにも波及し、国際通貨基金(IMF)の監視下に入るなど、財政不安が広がるなか、イタリア経済復活の切り札として、実務者型のモンティ内閣は発足。300億ユーロ規模の緊縮策を打ち出し、付加価値税の増税、不動産税の再導入、年金受給年齢の引き上げなどの「痛み」を国民に求めた。

市場やEU諸国は、モンティ改革を歓迎し、イタリア国債の金利上昇にも歯止めがかかっていたが、国民は失業の増加など、改革の「痛み」に不満を爆発させ、モンティ首相に「ノー」を突きつけたのである。

今回、上下両院で第三勢力に躍り出た「五つ星運動」にはポピュリズム的色彩が強い。同運動の創設者である人気コメディアンのグリッロ氏は、イタリアの危機をもたらした政党、政治家や、利益を共有していた財界などが一方的に国民に痛みを求める構図を批判してきた。

国民と痛みをどう分かち合うか、賢明な政治への転換は可能なのか、政党や政治家の課題は大きい。
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